1990年代のR&Bシーンは、En Vogue(アン・ヴォーグ)、Jade(ジェイド)、TLC(ティーエルシー)、Destiny’s Child(デスティニーズ・チャイルド)などの女性グループが活躍した時代でもあったのですが、その筆頭格とも言えるのが、今回紹介するSWVです。
(It’s About Time/SWV)
SWV(エスダブリュヴイ)は、ニューヨーク出身のココ(メインヴォーカル)、タージ、リリィの3人によって結成された女性3人組グループで、テディ・ライリーのプロデュースでデビューアルバム「It’s About Time」が1992年10月に発売されました。
(I’m So Into You/SWV)
なお、デビューアルバム「It’s about time」からは、Right Here(ファーストシングル)、I’m So Into You(セカンドシングル)、Weak(サードシングル)などがシングルカットされていますが、どの曲も当時のチャートの上位にランクインしています。
(Billboard Year-End Hot 100 singles of 1993)
(Right Here -human nature remix- /SWV)
さて、そんなSWVですが、1990年代当時、クラブに踊りに行ったりしていた人であれば、一番印象に残っているのは、おそらくこの曲ではないでしょうか。
Right Here -human nature remix-
この曲がリリースされたのは1993年ですが、その当時、R&BやHipHopが流れるクラブに行くと、必ずかかっていたと言っていいほどヘビーローテーションされていました。
(スリラー/マイケル・ジャクソン)
ちなみに、この曲では、マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」に収録されているヒューマン・ネイチャーという曲がサンプリングされていますが、おそらくそれもヒットの大きな要因になったのではないかと思います。
(Michael Jackson Human Nature Live at Buenos Aires)
サンプリングとは?
音楽におけるサンプリング(英: sampling)は、過去の曲や音源の一部を引用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと。
(You’re The One/SWV)
ファーストアルバム「It’s about time」で大成功をおさめたSWVは、その後、1996年にセカンドアルバム「New Beginning」、1997年にサードアルバム「Release Some Tension」をリリース。そこからは、You’re the Oneなどのヒット曲が生まれています。
(New Beginning/SWV)
(Release Some Tension/SWV)
その後、SWVは、1998年に一度解散して、メンバーそれぞれがソロ活動を行ったりしますが、2005年に再結成します。
1998年に一度解散するも、2005年に再結成したSWVは、2008年に〈BET Awards〉でアリシア・キーズ(Alicia Keys)が行った90sガールズ・グループへのトリビュート・コーナーに出演してアリシアと共演したことが大きな話題に。また2011年にはクリス・ブラウン(Chris Brown)が“Right Here”を使ったシングル“She Ain’t You”を発表し、SWV本人を招くリミックスが作られるなど再び注目が集まるようになり、同年、Mass Appeal Entertainment/eOneと契約。翌年4月にオリジナル・スタジオ・アルバムとしては実に15年ぶりの新作となった『I Missed Us』をリリースした。
(I Missed Us/SWV)
(Cosign/SWV)
2012年にアルバム「I Missed Us」をリリースしたSWVですが、その後、2016年にニューアルバム「Still」をリリースします。
(Still/SWV)
(Ain’t No Man/SWV)
見事なカムバックを果たしたこの90年代を代表するR&Bグループが、『I Missed Us』からおよそ4年ぶりとなるニュー・アルバム『Still』を完成。当初は昨年10月30日にリリース予定だったが、延期を経て今月5日の発売となった。すでに、前作同様にラムらがプロデュースに携わり、ズィンガラ(Zingaraa)が1981年に発表したスウィートなバラード“Love’s Calling”をサンプリング、そしてフォー・トップス(Four Tops)“Ain’t No Woman (Like The One I’ve Got)”のフレーズを借用したファースト・シングル“Ain’t No Man”が話題になっているが、他にもマイケル晩年の名曲“Butterfly”を思わせるフレーズが歌われるメロウな“MCE (Man Crush Everyday)”や、一転してディスコ・ファンクな“On Tonight”が発表されている。
というわけで、今回は、1990年代のR&Bシーンを牽引した女性グループ、SWVの「Right Here」という曲を起点に、いろいろと書いてみました。
ご精読ありがとうございました。